たとえば

特売の鶏もも肉で唐揚げを作ったとする。
レタスとわかめの味噌汁を添えて、ごはんと一緒に出てきたなら
つつましやかな唐揚げ定食の出来上がり。
しかしこの鶏肉が、名古屋コーチンだったらどうなるだろう。
原価は高いがうまい。だから自ずとそれ相応の価格とアピールが付随する。
鶏肉に変わりはないのに。
スーパーの肉売り場でも、名古屋コーチンには「特選名古屋コーチン」とかなんとか書かれたラベルが張られていて
トレーもなんだか高級な感じがする。
価格も明らかに高い。
名古屋コーチンでなくてはならない場合もある。
名古屋コーチンを好んで使う人もいるだろうし
名古屋コーチンでなくては釣り合わない高級素材尽くしの料理かもしれない。
だが、これから料理を作る人に材料を提供するとなると話は別である。
作る人は普通の100g88円のもも肉でいいと思っているのに
名古屋コーチンを指定されても困ってしまうだろう。
それ相応の扱いをしなければならないし
油や付け付け合わせの野菜なんかにも
余計な気を使わせてしまうかもしれない。
名古屋コーチンなのにそこらの肉と同じ味になってしまうこともあるだろう。
それを名古屋コーチンだと言われたら、
相手や原産者も怒るかもしれない。


設定やキャラには「共闘対象」というものがある。
そのラインをどこに定めるかはその人のさじ加減次第だが
定め方によっては、他人に理解されなかったり
敬遠されたりする。
ただの唐揚げ作るのに名古屋コーチン買わないのと同じ。
共闘で使われないキャラがいるとお悩みならば
そいつが名古屋コーチンの輝きを放っていないか見返してみては如何だろうか。